2020年8月1日~8月31日にかけて、日本会議通訳者協会(JACI)主催の「日本通訳翻訳フォーラム2020」(オンライン開催、通称「JITF2020」)に参加しました。
実際の講演は、上記1か月間にわたり行われましたが、9月30日まで録画視聴が可能でした。
仕事や子育ての都合上、どうしても時間を割くことができず、録画視聴は非常にありがたいものでした。
このフォーラムでは、合計53のセッション(+ネットワーキングセッション)がありました。
通訳、翻訳業界の名だたる方の講演を聴くことのできるまたとない機会でした。
今年は新型コロナウイルスの蔓延もあり、セミナーの開催形式もほぼオンラインになっていますが、これはこれでありかなと思います。
フォーラムの開催に先立ち、SNS等で講演者のお名前がわかりました。
個人的には、柴田元幸さん、越前敏弥さんの講演などは、喉から手が出るほど聴きたいものでした。
このブログですべてに触れることはできませんので、概要と感想の記録にとどめます。
私が視聴したセッションは、計13本でした。
おそらく少ないほうだと思います。言い訳と言えば言い訳ですが、8月は体調を崩してしまい、ほとんど9月に視聴することになってしまいました。
こんなことがあっても録画視聴が可能だとありがたいですね。
もちろん素晴らしいセッションばかりでしたが、1つピックアップするとすれば、帽子屋さんこと、高橋聡さんの「辞書の使いこなし2020」です。
なんといっても、与えられる情報量の多いこと。資料は92スライドもありました。
そして実は私、がっつりノートテイキングしながら視聴したのです…(資料があるのに)
後から振り返ると、モレスキン ラージサイズのノートで、なんと25ページ分書いていました。
「おうちでレッスン1 最初に買う辞書・使う辞書」セミナーでも触れられていましたが、辞書にはその種別により、一長一短あります。
「大は小を兼ねない」、つまり大きければよい、収録語数が多ければよいというものではないのは理解していました。
しかし、具体的な辞書名とその特徴、メリット、デメリットについて語ることは到底できませんでした。
これを可能ならしめるのは長年にわたるご経験と試行錯誤の結果だと思います。
一生かかっても及ばないと思いますが、帽子屋さんの仰ることを一つずつ自分の手で確かめていくことであれば、私にもできるかもしれません。
セッションの中では「たかが辞書。信じるはバカ、引かぬは大バカ」という言葉を挙げられていました。
これについては、Buckeyeさんこと、井口耕二さんもブログの中で触れられています。
私など足元にも及びませんが同感です。
とはいうものの、私の場合、その対象となる辞書の数がまだまだ足りないと思っているところです。
現状、EBWin、LogoVista、そしてPasoramaで乗り切っている状況ですが、現に他の辞書を引いてみたいと思う場面が多々あります。
帽子屋さんのセッションでは、辞書の個別的な特徴が触れられており、次に購入する辞書について迷っている私のような者には非常に有益でした。
帽子屋さんも語られていましたが、「時代だなぁ~」と感じたのは、オンライン版やアプリ版の辞書が台頭してきている点です。
私などは、なんとなく「モノとして、データとして持っておきたい」と思ってしまうタイプですが、こればかりは仕方がないですね。
気になっているのはやはり「物書堂」です。しかし、iOSを卒業してしまった現在、再度iOSデバイスを使用するか迷っているところです。
心のうちでは既に決めていますが。
その他、当然と言えば当然ですが、「投資しないと学べない」という点についても再度認識させられました。
これは書籍でもセミナーでも、すべてにおいてそうだと思います。
一例として帽子屋さんのセッションに触れましたが、今回のJITF2020では、このように多くを学べるセッションが多々ありました。
セミナーには数多く参加してきましたが、正直なところ、今まででもトップクラスに入るものだったと思います。
このような貴重な機会を設けていただいた日本会議通訳者協会および講師の皆さまに御礼申し上げます。ありがとうございました。